[2002.02.13]
  アンチテーゼによる彼は誰


 ▼ハンドスプリング、『Treo』発売で株価急騰(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020212-3.html


 iモードに対するアンチテーゼとなるものがなにも出てこないのは,それ自体つまらないものだという証拠。そしてこの国に,夜明けは来ない。

 ハンドスプリング社が,ハンドヘルド機能内蔵の携帯電話「トレオ」を販売開始し,同社の株価は33%アップの5.90ドルと急上昇した。ハンドスプリングにとってトレオ発売は大きな出来事で,同社は現在のハンドヘルド機器の生産中止を宣言している。

 昨日の記事の続き,と云うか昨日と同じ内容。進化の遅いパームのアンチテーゼとして製品を繰り出しているのはハンドスプリングだ。PDAにどんな機能でも付加できるスプリングボードスロットは,それまでのパーム・デバイスの機器設計,使い方へのアンチテーゼだった。そしてそのスプリングボードを捨ててまでも集中しようとしているトレオもまた,単体で通信機能を持たないパームへのアンチテーゼだ。

 パームもブルートゥースによって携帯電話を介してネットワーク接続することを計画しているが(CNET Japanの記事),どうせ2つとも持ち歩かなければいけないのなら1つにした方がいい。シンプルさより,今必要なのはスマートさだ。で,このトレオに心引かれるのは当然なのだけど,日本市場からフェードアウトしているハンドスプリングだから,私たちが手に持てることは当分なさそうだ。日本の携帯電話事業の閉鎖性も閉口ものだしね。そして日本はつまらないiモードなどの携帯電話(過去記事)をいつまでも持たされて,本当のネットワークはやって来ないんだ。


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